循環器科・心臓血管外科
循環器科
高血圧や生活習慣病の治療、生活指導を行います。
動脈硬化の検査を行なって評価いたします。
狭心症や心筋梗塞、不整脈など中年以降に心配な病気について検査・治療・生活指導を行っております。
心臓カテーテル検査が必要だと判断した場合は、検査可能な病院をご紹介いたします。
脈が遅くなる不整脈の患者さんに対してペースメーカーの植え込み術を行います。
KeyWords:糖尿病と虚血性心疾患
動脈硬化とは
動脈硬化とは、文字どおり「動脈」の血管の壁が「硬く」変化する病気です。 動脈硬化は高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などが原因となって、時間をかけて徐々に進行してきます。 そして硬くなるだけではなく、しだいに血管の内腔が狭くなって最終的に閉塞してしまいます。 動脈硬化は全身の血管におきますが、大切な臓器を養う動脈が閉塞してしまうと、健康に大きな障害が生じます。 脳の動脈が閉塞すれば脳梗塞(のうこうそく)になってしまうし、心臓なら心筋梗塞(しんきんこうそく)、腎臓におきれば腎不全(じんふぜん)、足の血管が閉じてしまうと下肢の壊疽(えそ)になってしまうのです。 このように動脈硬化は体に重いアクシデントを生じさせる悪漢なのです。
動脈硬化の検査~脈波測定について
このように怖ろしい動脈硬化がどの程度すすんでいるかを知るための検査が「脈波(みゃくは)測定」です。 動脈の壁が硬くなるほど「脈波」が大きくなるので、動脈硬化の程度がわかるというしくみです。 測定は非常に簡単で、手足に血圧を測るときのマンシェットを巻いて、じっとしているだけで5分くらいで終わりです。 「脈波」を測ることで動脈硬化がどの程度すすんでいるか知ることができるし、定期的に検査することで、現在の治療、たとえば血圧やコレステロール、糖尿病のコントロールがうまくいってるかどうかも判定できるのです。 万が一動脈硬化が強いと判定されても、治療がうまくいけば進行を食い止められるか、「脈波」を低く改善できることもあります。 ぜひ当院で積極的に「脈波」の検査を受けて動脈硬化と戦ってください。 詳しいことは、各担当医にご相談ください。
心臓血管外科
足の静脈がモコモコとはれたり、クモの巣のようになる下肢静脈瘤に対しては日帰りでできる硬化療法を行っております。
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは
足の静脈が“もこもこ”とヘビのように腫れて、うっ血し、足がむくんだり、だるくなったり、痛みやしびれをおこす病気が下肢静脈瘤です。 これは足の表面近くを走っている静脈の逆流防止弁がだめになって、血液が足にたまることで生じます。 ほうっておくと皮膚炎をおこしたり、ひどくなると皮膚潰瘍に進展することもあります。 なお静脈瘤には、「網目状」ないし「クモの巣状」静脈瘤といわれる細いものもあります。 だるさや痛み、しびれなどの自覚症状がある人をはじめ、静脈瘤がふくれてて「みっともない」、血管が網目のようになっていて「美容上なんとかしたい」と思っている人が治療の対象になります。
下肢静脈瘤のある患者さんにやっていただきたいこと
下肢静脈瘤を悪化させないように、日常生活で今すぐにできること、足のうっ血を防ぐために今日からできることを以下に示します。
- 1)歩いたり、足踏みをする
- 長時間立ったままや、腰かけたままでいると足はどんどんうっ血してしまいます。歩いたり、足踏みをしたり、くるぶしを動かすことでふくらはぎの筋肉を収縮(しゅうしゅく)させて下さい。筋肉の収縮によって足の静脈の血液は心臓に向かって押し上げられます。このしくみを筋肉ポンプといいます。筋肉ポンプを活発に働かせて下さい。
- 2)足を上げる
- 夜、就寝するときや、昼間でも横になる時間のあるときはクッション、座布団などを利用して足を心臓の位置より高くして下さい。足の静脈の血液を、重力で心臓に向かって流そうというものです。
- 3)弾性(だんせい)ストッキングをはく
- 日中は弾性ストッキングをはいてください。弾性ストッキングの外側からの圧力で、静脈の血液が心臓に向かって流れる速度がはやくなり、足のむくみが軽くなります。夜間、寝る時ははずして結構です。
- 4)肥りすぎない
- 体重が重すぎると心臓や血管に負担をかけるとともに、足に血液がたまりやすくなってしまいます。栄養のバランスのとれた食事にして、食べ過ぎないように“腹八分”にして下さい。
- 5)足を熱にさらさない
- 熱い風呂、日光浴、足の日焼けはさけるようにして下さい。静脈瘤による皮膚の炎症や潰瘍が悪化するおそれがあるからです。足への冷たいシャワーは効果的です。
下肢静脈瘤(じょうみゃくりゅう)の治療~とくに硬化療法について
- 1)保存療法
- 足を上げたり、弾性ストッキングを着用したり、足の筋肉を動かしたりする生活上の注意を続けていただきます。弾性ストッキングは医師の指定したものをはいて下さい。当院で扱っていますのでサイズを合わせて最適な物を購入して下さい。
- 2)手術
- 悪くなった太い静脈をストリッパーと呼ばれる器具を使って引き抜き、さらに小さな皮膚切開により静脈瘤を切除するもので、ストリッピング手術といわれます。以前はこの手術が主流でしたが、麻酔、手術侵襲が加わるうえ、1週間ほどの入院が必要となります。現在では、巨大な静脈瘤や、すでに潰瘍をつくっていて次に述べる硬化療法の効果が期待できない患者に限って手術をいたします。
- 3)硬化療法~こうかりょうほう
- 注射療法ともいわれ、多くの静脈瘤はこの方法で治療できます。
静脈瘤に硬化剤を注入して静脈瘤の内面を損傷させ、そこを密着させることで内面を癒着させて瘤をつぶしてペシャンコにします。静脈瘤がつぶれることで血液がたまらなくなり、瘤はなくなり、むくみやだるさといった症状もなくなるわけです。
具体的な方法は、ひざの上ないしは足の付け根の部分に局所麻酔下に小切開を加え、おおもとの静脈をしばったあとに、静脈瘤に細い注射針を使って硬化剤を注入し、包帯で圧迫するだけです。治療は30分から1時間以内で終わり、すべて外来でできます。基本的に治療後はそのまま帰宅し普通の生活ができます。なお従来、治療の対象にもならなかった網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤は硬化剤を注射し、圧迫するだけですみます。副作用ないし後遺症として、圧迫したところに色素沈着や潰瘍を生じる場合がありますが、時間がたてば治ります。
「静脈瘤でお困りの方はお気軽に相談してください。」